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気候変動への取り組み

JREは、気候変動問題を自然環境のみならず社会や産業の構造が大きく変わる転機と考えており、JREのビジネスに密接にかかわる重要な課題であると考えています。気候変動に伴い生じる変革の波を乗り越えて長期にわたりサステナブルで安定した収益を継続する為には、気候変動がJREのビジネスにもたらすリスクと機会を予測し、運用方針やアセットマネジメントに反映していくことが重要であると考えています。

気候変動をめぐる動き

■気候変動と世界の動き

2015年に採択されたパリ協定は、世界の平均気温の上昇を産業革命前の 2℃未満(努力目標 1.5℃)に抑え、21世紀後半には温室効果ガスの排出(以下「GHG排出」)を実質ゼロにすることを目標とする国際条約であり、全世界の197か国が加盟しています。この目標達成のためすでに多くの国や地域、またあらゆる産業において、GHG排出を削減する為の取組みや規制は強化される傾向にあり、今後更なるGHG排出規制強化の可能性も議論されています。

また、IPCC報告書(注)によれば、20世紀後半以降は事実として気候変動(地球温暖化)が進行しており、そのことが熱波の頻発や、極端な大雨といった自然災害の増加をすでにもたらし始めています。こうした気候変動による物理的なリスクへの対応も、ビジネスに密接に影響する重要課題として期待されています。

注:IPCC 1.5度特別報告書…国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による2018年公表の報告書

■TCFDへの賛同

2016年に発足した「気候変動関連財務情報開示タスクフォース(略称TCFD)」は、こうした気候変動がもたらすビジネスへの影響について、金融機関や企業がどのように情報開示をしていくかを議論し、提言を行いました。現在TCFD最終提言は世界中で多くの金融機関、企業、投資家、政府等からの賛同を得ています。

TCFD

JREの資産運用会社であるジャパンリアルエステイトアセットマネジメント株式会社(JRE-AM)は、TCFDのサポーター(2019年6月署名)として、JREのビジネスにかかわる気候関連リスクと機会の評価・管理と、気候関連情報のステークホルダーへの開示を推進しています。

気候変動に関するガバナンス体制

JRE-AMではサステナビリティ委員会(議長:JRE-AM代表取締役社長)が中心となり、ESG課題の一つとして、気候変動に関するリスク及び機会の特定、それらに対応していくための戦略について検討・決定しています。

具体的なリスク管理の実践は、JRE-AMの全社的なリスク管理プログラムを統括するリスク管理室および社内各部のリスク管理責任者により行われています。

オフィス市場/不動産業界に関する気候変動のリスクとJREの対応

気候変動のリスクは、TCFD提言において「移行リスク」「物理リスク」の2種に大別されます。

移行リスク

気候変動対策としての政府・自治体による規制の強化は既に現実の動きとなっており、今後パリ協定の2℃目標達成に向けた政策・法規制が強化された場合、国内でもGHG排出規制、建物の省エネ性能規制、炭素税導入等の様々なかたちで不動産ビジネスへの影響が生じることが危惧されます。

また、脱炭素社会への移行が進むと、オフィスビルのテナントとなる企業についても、入居先でのエネルギー消費やGHG排出を削減すべきインセンティブが一層生じてくるものと推定されます。そうしたインセンティブが、オフィス賃貸市場の状況を変化させる可能性も想定されます。

金融機関や投資家においてもその投資先の気候関連リスクを投融資判断に組み入れる動きが生じつつあり、事業の資金調達に影響を与える可能性があります。

JREでは、こうした気候変動の「移行リスク」に対して、GHG排出削減やエネルギー効率改善のためのグリーンプロジェクト、グリーンビル認証の取得等、様々な対策と具体的アクションを推進しています。

物理リスク

日本は元来地理的な条件から毎年夏季は台風や大雨、冬季には積雪を経験します。地震と併せて考慮すると大変に自然災害の多い国と言えます。加えて、地球規模の気候変動の進行に伴い、こうした自然災害がさらに頻発化、激甚化していく可能性があり、こうした災害による財務的影響の増大が、主たる気候変動の「物理リスク」として、全世界的に危惧されています。

JREは、災害によってポートフォリオの収益性が毀損されるリスクを低減するため、災害時の被害を最小限にとどめ、災害の激甚化に対するリジリエンシー(強靭性)を高めるための戦略を実施しています。

・自然災害(台風、大雨、地震)に対するビルのハード面での装備と準備。

・災害発生時の対応(ソフト面)の整備:国内トップクラスのPM会社により災害の種別に合わせ適切な災害対策と訓練が実施されています。

気候変動リスクとJREの取り組み(一覧)

← →この表は左右にスクロールできます。

TCFDに基づく
リスク分類
オフィス市場/不動産に
おける関連
時間軸
(注1)
リスクに対しJREが認識
する課題
リスクに対しJREが採用する戦略(注2)
移行
リスク
政策・
法規制

エネルギー規制の強化
炭素税導入の可能性
規制対応コストの増加

中期
長期
・エネルギー効率の継続的向上 ・再エネの導入 ・将来の規制対応コスト増大リスクの定量化 ・CAPEX・省エネ投資(㈱三菱地所設計のエンジニアリングチームとの連携) ・独自のEMS、内部型カーボン・プライシングによるPDCAサイクル ・グリーン証書・再エネ導入 ・物件入れ替え(主にスポンサー) ・シナリオに基づく定量的リスク評価(検討中)
技術 既存ビル性能が相対的に悪化するリスク 中期
長期

・先進的技術の採用

・スポンサーグループ(㈱三菱地所設計のエンジニアリングチーム)とのビル技術面での連携
市場 低効率ビルの需要の低下
資産価値の低下
中期
長期
・テナントのグリーン性に対するニーズの把握 ・テナント・エンゲージメント ・ビル環境性能の向上 ・テナント満足度調査・マーケットリサーチ ・テナントとの協働によるグリーンプロジェクト ・グリーンビル認証の取得
評判 気候リスクが高いと評価されることにより調達コストが増加 短期
中期
長期
・環境性能の向上 ・グリーンファイナンス/資金調達 ・グリーンボンド(改修型)、グリーンファイナンス ・ESGリスク管理体制の強化
物理
リスク
急性 激甚化する台風・洪水からの被害のリスク 短期
中期
長期
・リジリエンス・災害対応 ・将来の気候災害リスクの定量化 ・DDプロセスにおけるリスク評価 ・ハード・ソフト両面での災害対策 ・シナリオに基づく定量的リスク評価(検討中)
慢性 気候変化により建物運営のコストが増大 長期 ・気温上昇(海面上昇)のコスト影響 ・将来の運営コスト増大リスクの定量化 ・DDプロセスにおけるリスク評価 ・シナリオに基づく定量的リスク評価(検討中)
・注1:時間軸は次のように定義しています。短期:今後数年以内  中期:2030年頃までの期間  長期:2050年頃までの期間 ・注2:略称は次の通りです。 CAPEX:資本的支出  EMS:環境管理システム  DDプロセス:デューディリジェンスプロセス

気候変動による機会へのJREの取り組み

気候変動は、事業リスクだけでなく、同時に社会経済の変革と新たな価値創出のためのビジネス機会をもたらします。リートの成長機会である、①内部成長、②外部成長、③財務戦略、のそれぞれの側面において、JREは以下のバリューアップ戦略を進めています。

内部成長での機会

個別ビルのエネルギー消費効率化は、GHG排出削減という移行リスクへの先行的対応に加え、光熱費削減によるNOIの向上および環境面でのニーズを持つテナントへの訴求力の向上という収益向上機会にもなりえます。

JREでは、LED化推進による光熱費コスト削減、また個別のグリーン改修プロジェクト(例:銀座三和ビル、芝二丁目大門ビルディング等)を推進しています。こうした改修プロジェクトに際しては、テナントとの協議の上でグリーンプレミアム(賃料増額やグリーン協力金の収受)を実現し、GHG排出削減と収益性の向上の両立を実現させて参ります。

芝二丁目大門ビルディング改修工事によるインパクトの例:

芝二丁目大門ビルディング

共用部 改修イメージ
(※変更の可能性あり)

エネルギー削減

各ビルの改修計画に関しては、(株)三菱地所設計と協働したコンストラクションマネジメントに特化したチームを組織し、専門的知見を活用した各ビルの長期修繕計画の見直しや、財務計画と整合したポートフォリオ全体の戦略的CAPEX管理を進めています。また、ZEB(ゼロ・エネルギー・ビルディング)やIoT、スマートビルテクノロジーなどの技術的な最新動向・知見を取り入れたビルの資産価値向上戦略について、検討を進めています。

また、各ビルのエネルギー消費状況の定期的なモニタリングとして、専門のエンジニアリング会社による省エネパフォーマンス評価を行い、設備効率化や運用改善の機会の特定を行っています。2017年度、2018年度の2カ年でポートフォリオの約36%(取得価格ベース割合/2019年9月末現在)のビルに対して同評価を実施しました。

その他、ESG意識の高いテナントとの協働、PM会社との協力等を通じ、ビルのエネルギー効率化に加え、災害に対するリジリエンシー強化に向けた取り組みを進めています。

外部成長での機会

JRE-AMのスポンサーである三菱地所株式会社、三井物産株式会社と連携し、物件交換や相互売買により築古ビルから築浅でエネルギー効率の高いビルへの入替えを実現し、脱炭素社会への適応と、収益性を両立したポートフォリオの構築を進めています。

スポンサーとの物件入替えの例:
2018年1月 譲渡:渋谷クロスタワー(建物)←→ 取得:フロントプレイス日本橋

資産の入り替え

※本売買は2017年度中の契約引き渡しにつき、1年間のデータ比較は以下の期間で算出しています。
渋谷クロスタワー⇒2016年度のCO2排出量 & 水消費量  フロントプレイス日本橋⇒2018年度のCO2排出量 & 水消費量

財務戦略での機会

気候変動による財務的な影響が認識されていくにつれ、金融機関、投資家のグリーンファイナンスへの志向がより強まっていくものと思われます。グリーンな投融資先として有利な資金調達の機会を得るため、JREではグリーンボンド・フレームワークを整備し、グリーンファイナンスの展開を進めています。

さらに、客観的に検証可能なグリーン性の確保のため、DBJ Green Building認証、BELSなどの認証制度の活用や、環境・社会へのポジティブなインパクトの評価・測定の体制を整えるともに、外部へのレポーティングの充実を進めています。

2018年11月にはグリーンボンドとして第12回投資法人債(ジャパンリアルエステイト・グリーンボンド)を発行しました。

気候変動に関する国際イニシアティブとの協調

UNEP FI ネットワークの活用

JRE-AMも参加している国連環境計画 金融イニシアティブ(UNEP FI)では、各国の投資家・運用機関が集まり、TCFDが求める気候変動のリスクと機会に関する情報開示の実践について議論を深めています。JRE-AMでは、UNEP FI不動産ワーキンググループでの活動やそのネットワークを通じて、TCFDに関連するグローバルでの最新の動きを取り入れて参ります。

  • 資産運用会社ジャパンリアルエステイト JRea

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